★第1弾★
記念すべき第1弾は、この人!
環境活動家の辻信一さんにインタビューを
決行しましたっ!!
Q.1:
辻信一さんは環境活動家でいらっしゃいますが、環境に興味を持ったき
っかけはなんでしょうか?
A.(辻さん):
いろいろあるけど、いちばん大事なのはたぶん、北アメリカに住んでいる
ときに、先住民(インディアン)に出会い、親しくなったことですね。彼らの
「くに」はそれぞれかつて豊かな大自然があった場所なんだけど、最近で
はどこでも、ひどい環境破壊にあっている。
彼らにとって、環境問題は同時に、文化の問題であり、自然が破壊される
ということは、同時に自分がもう自分であることができなくなる、という切実
な問題なのです。
それを学んでから、ぼくにとっても、環境問題は同時に文化の問題なので
あり、環境運動は同時に文化運動になった わけです。
Q.2:活動をしている中で、印象に残ったエピソードを1つ教えてください。
A.(辻さん):
やっぱり、森を守る人々の活動のお手伝いをしていた南米で、動物の
「ミツユビナマケモノ」というすてきな動物に出会ったこと。
彼らの生き方を学んで、そうか、彼らを救うとか、森を守るとかいうのは
思えば傲慢な考え方だな、と気づいた。
森のおかげで生きているのは、ぼくたち。
その森の中で生きているナマケモノの生き方こそがぼくたちのお手本な
んです。
Q.3:環境活動家として働くことの魅力とはなんでしょうか?
A.(辻さん):
楽しいこと。スピリチュアルであること。
楽しくてスピリチャアルなことってたいがい、エコなんです。
Q.4: 日本はまだまだ経済中心の社会で、ヨーロッパに比べ環境への対応が
遅れていると思います。今後、日本はどうあるべきだと考えられますか?
A.(辻さん):
いやいや、ヨーロッパもたいしたことないでしょ。日本をも欧米をも、そし
て、「途上国」をも包み込んできた「豊かさという幻想」を超えていくこと、
が問われています。
Q.5:今の学生に対して、メッセージをお願いします!
A.(辻さん):
「幸せって、なんだっけ?」と問い直してみよう。
そうすれば、これまでの社会の「豊かさ」というもののバカバカしさが見え
くるでしょう。
「豊かさ」 の名の下に、戦争を引き起こし、貧困をつくり、しまいには人
類の生存の基盤である自然を破壊することの愚かしさが。
「豊かさの経済」に替わる「幸せの経済」をあなた方がつくってください。
ぼくもそのお手伝いをしたいです。
インタビューを受けていただき、本当にありがとうございました。
(学生団体FAVLIC一同)
辻 信一(つじ・しんいち)プロフィール
文化人類学者、環境運動家。明治学院大学国際学部教授。 「100万人のキャンドルナイト」呼びかけ人代表。NGOナマケモノ倶楽部の世話人を務める他、数々のNGOやNPOに参加しながら、「スロ−」や「GNH」というコンセプトを軸に環境文化運動を進める。環境文化NGO・ナマケモノ倶楽部を母体として生まれた(有)スロ−、(有)カフェスロ−、スロ−ウォーターカフェ(有)、(有)ゆっくり堂などのビジネスにも取り組む。
「ナマケモノ倶楽部」とは、1999年、環境問題や先住民問題に関心をもつ人々が中心になって立ち上げたNGO。中南米の森に棲むナマケモノという動物の、低エネ、循環型、共生、非暴力の生き方にこそ持続可能な社会や暮らしのヒントがあるとして、生態系保全、環境共生型ライフスタイルへの転換、「環境や社会にいいことをするスロー・ビジネス」の創造という3分野で、ダイナミックな活動を展開中。
ナマケモノ倶楽部のHP:
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